このグループが紹介される時、必ず出る話が「Black Sheep Of The Family」って曲。 こんな駄曲が最初に話題になるからこのグループ本来の良さが正当に評価されないのでは?? その他の曲は本当にどれも完成度が高く、正にブリティッシュ良質エッセンスの凝縮版って感じ!! ヒプノシスのジャケアートも雰囲気ものでメッチャええし。。 本当に①を除けばブリティシュロック最良のマスターピースの一つだと思いま~す♪大好きです。
私がこのアルバムを買った理由は、ミック アンダーウッドがドラムスだからです。皆さんは、ミックのことをギランのドラムスとして認識しているのでしょうが、私は違います。そうです、彼はギラン加入前はあの「ストラップス」に在籍し、ロス スタッグをサポートしていたのでした。ストラップスでの彼のドラミングが気に入り、ギランの「フューチャー ショック」(ギランが好きでは無い為ちょっぴり後悔?)と本作を購入したのです。少しアバンギャルドかなと思いつつも、まあ70年代初頭だからこんなもんだろうと納得。でも「Make up your mind」はお気にです。
イアン・ギランとロジャー・グローヴァーも在籍していたEPISODE SIXの元メンバーにより結成されたQUATERMASSが、’70年に発表した1stアルバム。 彼らに関しては「リッチー・ブラックモアのDEEP PURPPLE脱退→RAINBOW結成の引き金の一つになった楽曲“BLACK SHEEP OF THE FAMILY”のオリジナルを演っていたバンドでしょ?」ぐらいの認識しか持っていなかったので、お勉強のつもりで初めて本作を聴いた時にはその迫力と独創性にブッ飛ばされましたよ。ギターレスのトリオ編成にも拘わらず、プログレ的繊細さよりHRシンガー然としたパッションだだ漏れな熱唱にグッと来るジョン・ガスタフソンのVo、ピアノや歪んだ音色で唸りをあげるハモンド・オルガンを駆使して、時にクラシカルに、時にフリーキーに曲展開を彩るピーター・ロビンソンの鍵盤捌き、奔放に荒れ狂うミック・アンダーウッドのDsにより叩き付けられるサウンドは、並のメタル・バンドじゃ束になっても敵わないレベルでヘヴィかつアグレッシブ。前曲の神秘的な余韻を攻撃的なオルガンと音数の多いドラムがぶち破るリッチーも認めた名曲②は勿論、Voの絶唱と楽器陣の火花散る絡み合いが哀愁を帯びた曲調を激しく盛り上げる③、BOSTONの“SMOKIN’”を思い出したりもするスピーディなロックンロール⑦、終盤にドンデン返しが仕掛けられたサスペンス映画のサントラ曲みたいな(?)大作⑩辺りは、プログレというよりは完全にHMの領域で語りたくなる熱量とカッコ良さを誇っています。 ヒプノシスが手掛けた印象的なジャケットに、内容の方も一歩も引けを取らない名盤。