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White Devil Armory / OVERKILL
失恋船長 ★★★ (2025-03-01 13:36:57)
快進撃を続ける老舗スラッシュメタルバンド。前作からの勢いもそのままに、よりオーセンティックなメタルサウンドへと軸足を置いている。モダンさや無駄な鈍重さと手を切った近年の力作には迷いがない、その痛快極まりない作風においてスピード重視という姿勢は前作に譲るが、メタルの持つ危険な匂い、あの裏路地に入ってはいけない、チンピラメタル感が増量、ボビーのふてぶてしいギャングヴォイスもクールな切れ味を見せつけ、キカイダーの宿敵、ハカイダーの変身シーン、ナイフをキラリと光らせてからのジャンプ一番を思い出しますね。
パンクなアプローチの曲をあえて取り上げたのも挑戦的、もう大ベテランの域に達しているのに、こういう仕掛けをしてくるのにニヤニヤさせられる。彼らがメタルをいうジャンルの置いて、どれほど高い位置にいるかを改めて思い知らされた。前2作よりもレイトバックした作風、しかし音の方は現代的なテクノロジーの恩恵を受けているので抜けがいい。その切れ味は壮快感を呼び込み清々しい気分にさせられる。
ややベースが目立たないのは残念だが、それでも多様な音楽性を披露することにより前作から上手くバトンしている。これならば文句もいわれないだろう。頭のいいバンドである。サバスよろしくなドゥーミーなパートもカッコイイ、貫禄はあるが実にフレッシュである。この感性が素晴らしい。
メタリカは凄い、メガデス最高、いつものメガデスだとか、名前だけで持ち上げられるバンド、音ではなく活字で評価をする永遠のニワカユーザー、雑誌の評価などどうでもいい話です。芯がないから信用できない。
今作を前にして、名前でありがたがるなど、どれほど滑稽な事か。クラシックメタル界において彼らが先頭を走っている事は間違いのない事実である。2014年に80年代のパワーをそのまま持ち込み鍛錬されたサウンド。先を読ませないスリルと、強靱なグルーブから生み出される粗暴さ、その暴力的なリズムの上を華麗に突っ走る二本のギター、正確無比な阿吽の呼吸から生み出されるプレイは、スケボーのヴァーチカルみたいなアクロバティックさもある。これらが一体となることで聴き手を興奮の坩堝へと引き込む。頭からケツまで飽きさせずに一気に聴けるのも今作の特徴だろう。
今が旬であり最盛期だろう。
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