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Black Light / White Noise / SMITH/KOTZEN
失恋船長 ★★★ (2025-06-20 01:34:40)
エイドリアン・スミスとリッチー・コッツェンによるロックプロジェクト第二弾。オーセンティックなハードサウンドを根幹に英国とアメリカの音楽性が融合。テクニカルなリッチーと味わいで勝負するエイドリアン。この二人がここまでベストマッチするとは思ってもいなかったが、二人の相性の良さは前作で証明済み、ファンクさを上手く押え、古典的なブルースロックに傾倒しすぎず、だからと言って現代的なヘヴィネスを無視していない、程よく熟成された新型古典ロック、両者のバックボーンを上手く融合させ、無国籍なスタイルを構築している。

二人の感性がここまで共鳴しあうとは改めて驚きましたね。エイドリアンもリードヴォーカルとしてリッチーと十分に張り合っている、実はここが最大のポイント。リッチーの野太いソウルフルな歌声をエイドリアンが打ち消しバランスを取っている。濃淡のバランス。それはギタープレイにも言える、異なるタイプの二人が絡む姿の実に理想的、ソロでは互いに譲り合い楽曲の魅力を殺さない適度さが、これまた絶妙。

歌も聴かせるがギターも美味しいという定食メニューにお好きなサイドメニューをもう一品って感じで、盛りだくさんなんですよね。
街中華で小皿メニューがある喜びにも似ています。キャリアのある二人が、余裕を感じさせるソングライティングとプレイ。それは目立とう精神のなさからくる謙虚さが、このコラボ最大の聴き所だろう。イングヴェイにこの心の余裕が5ミリでもあれば、素晴らしい音楽を作れるんですけどね。

定番ではあるが、両者のコラボが生み出すスリル。先の展開が読めないは展開は聴き手を引き込むには十分だ。何度も聴いている内に、その緻密さに驚かされる。歌い分けもノリ以上のモノを感じる。

メイデンほどお金を生み出さないかも知れないが、こういう気心しれた仲間とリラックスしながら音楽を作れる環境があるのならば、エイドリアンには、コッチに専念して欲しいねぇ。センジュツってアルバム、無難過ぎて眠くなったよ。
この二人のコラボには将来性しかないね。素晴らしいフィーリングでした。ごっつぁんです。

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